ついに、二人きりで飲みに行くことになった夜。
ふたりで横並びの席。
グラスをちょっと置く音だけがして、少しだけ沈黙。
私
「ねえ…今日さ、ずっと点描の唄聴いてたんだよね。」
相手
「急にどうしたん。あの曲?」
私
「うん。なんかさ、あそこの歌詞、ずっと頭から離れなくて。ちゃんと好かれてるって、
まっすぐ言われてるみたいなフレーズがあるんだよね。」
相手
「へえ…あそこ、いいよね。」
少し間が空いて、私が相手の肩に、そっと寄りかかる。
私
「もしさ…私が、前から同じこと思ってたって言ったら、引く?」
相手
「同じこと?」
私
「ちゃんと、あなたのことを好いているって、前からずっと思ってたってこと。」
相手は一瞬だけ黙って、少し笑いながら。
相手
「…それ、僕のセリフなんだけど。」
私
「え?」
相手
「ずっと前からさ。
一緒にいると落ち着くし、気づいたら目で追ってるし。
ほんとは、こんなふうに隣でべったりされたいくらい、前から好きだった。」
私
「…それ、もっと早く言ってよ。」
相手
「ごめん。鈍感だってしかっていいよ。
でも、ちゃんと僕は、ずっとあなただけ好いていた。」
私
「じゃぁさ。
これからも、隣の席は私の場所ね。」
相手
「うん。ずっと空けとく。」


コメント